けんたの産みの母親が裁判所にこないため、私たちの養子縁組はなかなか進まない状況にありました。しかし、やっと実母がいらして、お話を聞くことができました。 ちょっと目元がけんたに似ているのかなと思わせる実母。
彼女の結論は「特別養子縁組は了承できない」というものでした。理由は、一緒には住んでいないけんたの祖母が「生きている間にけんたに会いたい」と言っていること、(祖母が育てているという)けんたのお兄ちゃんが(けんたが養子縁組することを)泣いていやがっていること、つまり実母の家族の気持ちを考えると認められないということでした。
私達夫婦に対して手紙もいただきました。
そこには、「育ててくれてありがとうございます」という感謝の気持ちと共に、裁判所でお話されたような内容が書かれていました。けんたに会いたいとか、返してください、といった言葉はありませんでした。
けんたの幸せはどこにいくのでしょう。特別養子縁組を認めてもらえなければ、けんたの立場は不安定なままなのです。けんたは私たちと正式に家族になることを彼なりに理解し、喜んでいるのです。
その日、裁判官からの私たちへの質問は「特別養子縁組をしたいという気持ちに変わりはありませんか?」というものだけでした。もちろん、私たち夫婦の気持ちは変わりません。けんたを不安な気持ちにさせないよう、私たちは冷静でいなければならないね、と夫と改めて話をしました。
There was certainly a stagnant time in the progress of our adoption as Kenta's biological mother didn't come to the court. Finally, the real mother came and we could have a hearing time with her. By the way, I noticed Kenta's eyes take after hers.