1人目はおとなしい女の子のあーちゃん。 最初は恥ずかしそうに隣に座って、本を読む私の顔をのぞき込みながら様子をうかがっていたけれど、「おひざ来る?」と聞くと「うん」とうなずきひざに座ってきてくれました。コンコンと咳をしていたので背中をさすってあげたら、その後わざと咳込んだりして…手の温もりを欲しがっているのね。 お部屋に戻る時はあーちゃんから手をつないできてくれました。私が帰る時にも「今度いつ来る?また絵本読んでね」とちょっと寂しそうな笑顔に涙が出そうになりました。
2人目は小さな男の子のゆーちゃん。「これ読んで」と持ってきたのはウルトラマンの本でした。ひざの上にちょこんと座ってウルトラマンの写真絵本を読みました。やっぱり男の子はいつの時代もウルトラマンなんですね。 私は怪獣の長いカタカナの名前を読むのに一苦労しましたが(汗)
そして3人目は職員の先生から「この子はちょっと大変かもしれません」と言われためーちゃん。 落ち着きがなく絵本を読み始めてもすぐに気が散って別のおもちゃに手を出したり、手芸用のビーズを床にばらまいてしまったりと確かに手が掛かる。
こうなったら体を動かそう!ということで絵本はやめてサイコロのクッションを投げて遊んだらとっても楽しそう。 ひとしきり遊んでお部屋に戻る時は、指をしゃぶりながらずーっと抱っこ。お部屋に入ろうとすると「やだやだ」と私にしがみついて離れようとしませんでした。面会に来ていた他の子のお母さんから「お母さんですか?」と聞かれるくらいにベッタリで…。
短い時間しか抱っこしてあげられないもどかしさを感じつつ、「また来るね」と約束して施設を後にしました。
(エピソード提供 鷲頭明子さん)